砂漠とは?

定義はなんだと聞かれると、何だろうと思われませんか。

 

鳥取砂丘や伊豆諸島の表砂漠、真夏のグラウンド、

または月面のような不毛な場所……など、など

砂漠的な景観は国内外のあちこちに見られます。

 

では、それが全て砂漠と呼べるかというと、そうでもないようで。

 

砂漠とは、降水量が極端に少なく、

ほとんど植物が育たない地方を指しています。

 

 

砂漠とは/砂漠が成立する降水量

 

砂漠とは、降水量が極端に少なく、ほぼ植物が育たない場所を指します。

 

砂漠が成立する降水量の目安は、年間150~250mmほどですが、

はっきり統一されてはいないらしく、調べると本によって幅があります。

 

たとえば、『もう一度読む山川地理』という本では、

砂漠には年平均降水量が150~250mm以下のところが多いとあります。

 

『砂漠と気候』という本では、

植生の分布と年降水量の分布を見ると、

年降水量200mm以下の地域が、砂漠・半砂漠と一致するとあります。

 

『砂漠の事典』という本では、年降水量200mm以下を、

砂漠生態系域と呼んでいます。

 

『植物生態学』という本では、

年間降水量が250mm以下の乾燥した地域を砂漠としています。

 

 

『図説砂漠への招待』という本では、

年降水量254mm以下の場所を砂漠とする考え方が一般的ですが、

そこが砂漠になるかどうかは降水量だけでは決まらず、蒸発量も関係するとなっています。

 

砂漠の条件として、植物がほとんど育たないことがありますが、

そこに植物が育つかどうかは、降水量だけでは決まりません。

 

植物は利用できる水分があり、水分以外の条件も整っていれば育つことができます。

ただ、植物は雨や雪としてもたらされた水を、全て利用できるわけではありません。

降水量から蒸発量を差し引いた量が、植物が利用できる水分の量になります。

 

同じ年間250mmの雨が降るのでも、

気温が高くてたくさん水分が蒸発する場所と、

気温が低くて水分があまり蒸発せず、植物が利用できる水分が多く残る場所とでは、

植物が利用できる水分量は違ってくるのですね。

 

そのため、気温が低い場所と高い場所では、

植物が育たず砂漠が成立する降水量が同じではありません。

 

気温が低いモンゴルでは、年間約150mm以下が砂漠とされ、

アメリカ合衆国南西部では、年間約250mm以下が砂漠とされています。

 

 

 

 

このように、年間降水量が何ミリ以下なら砂漠、と

単純に線引できるものではないようです。

 

その場所でどんな植物が、どの程度育つかは、降水量や気温のほか

風、地形、地質などいろいろなものに左右されるので、

降水量にはっきりした線引がないほうが、かえって正しいのかもしれません。

 

 

 

 

 

砂漠の雨ってどれくらい降るの?/降水量を日本と比べると

 

砂漠では年降水量が150~250mmほどのところが多いとされています。

この数字、たしかに少ないのですが、

数字だけではなんともイメージが湧きません。

 

そこでよく知っている、日本の気候と比べてみましょう。

 

日本は世界的に見ても、降水量が多いほうです。

これを書くために調べた資料では、

日本の年平均降水量は1718mm。

世界平均は880mm、日本の降水量の約半分。

 

 

一方の砂漠は、150~250mm。

日本の年平均降水量の一年分で、

砂漠の7年弱~11年分の降水量になってしまいます。

 

が、年間の降水量だとまだ、イメージが湧きません。

もっと短い期間で見てみましょう。

 

2016年、2044mmの年降水量が記録された日本の県では、

8月はその1ヶ月だけで335.5mmの降水量が観測されました。

1ヶ月で砂漠の約2年分です。

 

8月8日には1日で105.0mmの雨が降り、

8月18日には75.0mm降りました。

 

 

日本で大雨が降ったな、という日を2日あわせただけで、

砂漠の年降水量とトントンです。

 

 

 

 

記事の要点

 

砂漠とは、降水量が極端に少なく

ほとんど植物が育たない地域をさす。

 

砂漠が成立する降水量については

本によって記述に差があるが、

だいたい150~250mmのところが多い。

 

日本では1日で100mmほどの降水量が記録されることがあるので、

2日よく雨が降った日を合わせると、それで砂漠の1年間の

降水量に並んでしまうことがある。

 

参考にした本、サイト

 

※参考:国土交通省気象庁ホームページ http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php

 

参考: 国土交通省 水害対策を考える https://www.mlit.go.jp/river/pamphlet_jirei/bousai/saigai/kiroku/suigai/suigai_3-1-1.html)

 

 

【参考にした本】

もういちど読む山川地理  (著  田邉 裕)
図説砂漠への招待(著 赤木 祥彦)
砂漠と気候(著 篠田 雅人)
砂漠の事典 丸善株式会社
植物生態学(著 大原 雅)